CASE

駅前空間の徒歩移動接続性向上によるバス利用への波及効果分析

HOME ケーススタディ 詳細内容あり 駅前空間の徒歩移動接続性向上によるバス利用への波及効果分析

概要:

徒歩・バス・鉄道の融合移動モデルによるバス利便性予測を通した駅前空間整備評価

企業内課題、社会課題、ニーズ:

  • 異なるバス路線間の乗継を積極的に考えることによってバス利便性の向上をねらう。都市環境整備の目標の一つと考えて計画の評価に役立てる。
  • 公共交通ネットワークの新設/改良時における旅客の利便性向上効果の定量評価と運行ダイヤ検討などの柔軟なケーススタディ実施

背景/目的:

蒲田駅では駅周辺開発がおこなわれており、JR線によって東西に分離されている駅前空間の接続性を高めるための自由通路新設が計画されている。当該駅にはバス停留所が東西に点在しており、東西の停留所間移動には徒歩5分ほどを要する。自由通路が新設され、前記移動時間の短縮効果(徒歩1分:想定値)が、駅および駅周辺だけでなく、周辺地域全体にどのように寄与するかの定量的な把握を試みる。

図1:蒲田駅における新設予定の東西自由通路とバス停留所の配置

課題への解決策:

整備効果が行われる駅周辺だけでなく、影響及び影響の可能性があるエリア全体を1つの徒歩・バス・鉄道の融合移動モデルとして表現する。これにより、整備対象の駅前だけでなく、広域エリアでの施策効果を評価することができる。本検討では、バス・バス間乗継接続性の向上による地域住民の移動利便性評価に着目して、検討を行う。

適用データ:

南東京エリアにおける道路・バス・鉄道の融合ネットワークデータ、時刻表データ(2016年時点)および旅客ODデータ(大都市交通センサス2016)を適用

適用技術、ツール(システム):

徒歩・バス・鉄道の融合ネットワークデータによる旅客移動シミュレーション(仮)

図2:徒歩・バス・鉄道の融合ネットワーク(時刻表を反映した時間拡大ネットワーク)

解析の条件設定、移動モデル概要:

バス、列車は時刻表通りに運行される。移動開始地点は道路交差点、バス停、駅として、目的地(対象地域の400床以上の病院)と10分毎到着時刻から最遅出発となる経路を選択する。全移動機会(84回:14時間/10分)から、到着実現回数と平均旅行移動時間によって評価を行う。

検討結果:

現況(図3(1))と前記の東西自由通路が新設された後(図3(2)の比較検証を行った。2ケースの条件の違いは、路線バス間の乗り継ぎ利便性(移動時間5分と1分)のみである。検証結果を図3(3)に示す。蒲田駅南西エリアでは、蒲田駅で路線バスを乗り継ぎ、蒲田駅東エリアに立地する病院(東邦大学病院)への移動する利便性が向上することが明らかとなった。このように、駅前空間の整備効果は駅前だけでなく、周辺地域の移動利便性の向上に寄与する可能性があると言える。

図3:東西自由通路新設での路線バスの乗り継ぎ時間短縮による病院移動の利便性評価結果

参考文献:

[1] 田口東, “数理計画法で解く首都圏電車の混雑 ―2020東京オリンピック開催時,どうなる,” オペレーションズ・リサーチ,65(8), 429-438(2020).

事業分野関連事例

CONTACT

株式会社ベクトル総研お問い合わせはこちらから

お仕事の依頼や
ソリューションに関するお問い合わせなど、
お気軽にご相談ください。

フォームからのお問い合わせはこちら

お問い合わせ
株式会社ベクトル総研お問い合わせフォーム

電話でのお問い合わせはこちら

03-3409-1001
株式会社ベクトル総研電話番号

受付時間:10:00~12:00、13:00~18:00
(土日祝祭日、年末年始、夏季休暇中を除く)