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新空港線による羽田空港利用客の利便性向上検討

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概要:

鉄道ネットワークの延伸効果を利用範囲の観点で検証する。

企業内課題、社会課題、ニーズ:

公共交通ネットワークの新設/改良による旅客の利便性向上効果の定量評価,運行ダイヤ検討などの柔軟なケーススタディ実施

背景/目的:

東急多摩川線を終着駅の蒲田より延伸し、京急空港線と接続する新空港線(蒲蒲線)の建設計画が進展したことが2022年6月に公表された.第1期には多摩川線を地下化して,京急蒲田駅に近接した場所に地下駅を設置するとされる.現在2つの蒲田駅(東急蒲田駅、京急蒲田駅)は直線距離で 800m 以上離れていて乗換が非常に不便である.本計画は2路線の接続による利便性の向上をねらっている.本検討では鉄道で羽田空港に移動する旅客を対象にその定量的な効果検証を行う.

図1:経路イメージと乗換時間等の条件設定

課題への解決策:

鉄道延伸が行われる対象路線や改良開発の周辺エリアだけでなく、影響を及び可能性があるエリア全体を1つの鉄道ネットワーク空間として表現することより、広域エリアにおける施策効果を評価することができる。

適用データ:

1都3県における鉄道ネットワークデータ、時刻表データ(2016年時点)および旅客ODデータ(大都市交通センサス2016)、新線の乗換時間や時刻表は概算値を適用

適用技術、ツール(システム):

鉄道時空間ネットワークによる旅客移動シミュレーション(仮)

検討結果:

現況(Case0)および新空港線 第一期完成後(Case2)を比較した結果を図3に示す。新線を利用するCase2では羽田空港に短時間で移動できる旅客のエリア範囲が広がったことがわかる。東急多摩川線と直接乗換ができる東急東横線だけでなく、東急大井町線・田園都市線や横浜市営地下鉄の沿線にも利便性効果が波及することが明らかとなった。

図2:現況と新空港線第一期完成後の羽田空港利用客の東急多摩川線の利用比率比較

今後の取り組み:

本検討では、時刻表や新線利用比率を想定値とした。今後は条件設定変更によるケーススタディの実施を予定している。

参考文献:

[1] 田口東, “首都圏電車ネットワークに対する時間依存通勤交通配分モデル,”日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌,48, 85-108(2005).

[2] 田口東,“東京オリンピック観戦客輸送の余裕を首都圏電車ネットワークは持っているか,” オペレーションズ・リサーチ,62(1), 5-14(2017)

[3] 田口東, “数理計画法で解く首都圏電車の混雑 ―2020東京オリンピック開催時,どうなる,” オペレーションズ・リサーチ,65(8), 429-438(2020).

関連資料(pdf):

新空港線(東急多摩川線と京急空港線蒲田駅接続)の鉄道利便性に対する効果の検証

関連URL:

東京都大田区ホームページ・新空港線(蒲蒲線) メインページ

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