概要:
一定時間の滞在を伴う場内交通に対して、場内動線の円滑性や、滞在地点の評価、敷地外への混雑波及評価を行う。
背景/課題/ニーズ:
駐車場の受付・精算や荷物搬入出などのように、敷地内で滞在が生じる車両動線を計画・設計する際、待ち行列が敷地外にはみ出して公道の交通を阻害することがないようにしたい。コスト低減のため、必要最低限の受付窓口数としたい。利用者目線で敷地内の滞在時間を短縮したい。
目的:
車両動線計画の見える化および定量評価。動線の円滑性を高めるための改善案の提案。
課題への解決策:
- 動線設計内容をミクロ交通シミュレーション上で詳細に再現し、車種別の車両挙動や待ち行列の発生状況を見える化する。
- 待ち行列の滞留長や各滞在地点の利用状況、各車両の総滞在時間を定量化して集計し、動線設計内容の評価を行う。
- 設計の一部を変更した複数ケースのシミュレーション結果を比較することで、場内交通における課題を解決するための方針を検討する。
適用データ:
車両動線配置の設計データ(空間データ、車種別動線)、滞在の設計データ(滞在位置、処理能力)、時間帯別の来訪想定台数(時間帯、時間別台数、車種)
適用技術、ツール(システム):
ミクロ交通シミュレーション
今後の取り組み:
車両が滞在するエリアの詳細解析と、敷地内全体の待ち行列シミュレーションを組み合わせ、より柔軟な形でお客様の課題点の明確化および改善支援を行っていく。そのほか、シミュレーションに用いる入力データにオープンデータを活用し、シミュレーションの入力データの拡充や、評価対象を拡張(例えば敷地外の混雑評価)を行っていく予定。
補足情報:
本ケーススタディでは、東京大学で開発されている交通流シミュレータ ADVENTURE_Matesを改編して利用している。