目的と対象施設
目的
様々な条件下で施設利用者全体の流動を検証することにより、計画プランの評価(規模算定)を行い、改善内容を計画案にフィードバックすること。
対象施設
混雑(滞留)や待ちの発生が懸念される施設全般の評価が可能(適用事例:空港、劇場、トイレ、駅改札など)



シミュレーション実施の有用性が高い要件
本シミュレーションを適用する有用性が高い要件は下記の通りです。
- 計画の初期段階で計画 または 設計の変更が可能な場合
- 利用人数が多い施設 または 利用が集中する施設
- 広範囲な平面空間を有する または 施設のプランが多層階の場合
- 様々な条件設定による検証が必要なケース
シミュレーションモデルの概要
利用者の発生地点や待ちスペースといった基本的な空間構成要素を組み合わせて、階段やエスカレータ、扉、トイレなどの要素を作成します。これらの要素を組み合わせることにより、計画プランの空間構成を表現し、利用者の流動シミュレーションを行います。





シミュレーションの適用事例1:空港のチェックイン、入出国審査
利用者の想定
- 利用者属性:国内線or国際線、利用する航空会社、チェックイン方法
- 利用時間帯:属性とフライトスケジュールを対応付ける
- 利用者の到着分布:チェックイン締切までの空港到着分布
- 所要時間:チェックインや入出国審査の所要時間

解析結果の一例


シミュレーションの適用事例2:劇場
利用者の想定
- 利用者属性:男女比、トイレ・ビュッフェ等の利用率
- 対象時間:最混雑が予想される演目
検証の着眼点
- 幕間時、終演時の一斉利用(一斉退出)による混雑状況の把握
- 利用率の違いによる混雑と待ち状況の変化
- プラン内で分散設置されるトイレ・ビュッフェの利用状況の偏り
- 退出経路の安全性
解析結果の一例


シミュレーションの適用事例3:トイレ(鉄道駅:改札内)
利用者の想定
- 利用者属性:集中型到着(主に降車客)とランダム型到着(主に乗車客)
- 利用者の到着分布:現地調査の結果および列車ダイヤを考慮
検証の着眼点
- 集中型到着による最大待ち人数の変化


シミュレーションの適用事例4:駅改札、切符窓口
利用者の想定
- 利用者属性:乗車客と降車客、乗車客の切符購入方法(窓口、自動券売機ほか)
- 利用者の到着分布:朝ラッシュ時の列車ダイヤを考慮
- 利用者の行動:改札に最も負荷の掛かる階段ESCの利用状況を想定

解析結果の一例

(降車客)

(乗車客)


