概要
火災予防条例の客席基準の特例申請の際、東京消防庁の評価を受けた火災避難シミュレーションを使用できるよう、火災避難シミュレーションの評価制度が新設された。
この評価制度に基づき、弊社の人流シミュレーション(P-MACS)が、東京消防庁の火災避難シミュレーションの評価基準に適合していると評価いただいた。
これにより、今後、火災避難シミュレーションを使用した特例申請にベクトル総研の人流シミュレーション(P-MACS)を使用いただけるようになった。
課題①:流動係数の確認[スライドp.3~5]
目的
流動係数が安定して1.5人/m・s以下になることを確認するため、多数の人数が通過する空間での流動係数を算出する。この時、開口幅員を0.85~3.0mの範囲で変更(全5パターン)し、各開口幅員で10回の解析を実行する。すべての実行結果において、流動係数が1.5人/m・s以下であることを確認する。
課題➁:飲食店の階避難
目的
床面積約300㎡の飲食店において、厨房からの出火を想定して、合計113人の階避難の状況を確認する。この時、出火室である厨房と非出火室である飲食店、事務室では避難開始時間を変更する。
課題➁の詳細な解析結果はスライドp.6-8に記載している。
課題③:物品販売店舗の階避難
目的
2つの物品販売店舗がある床面積約300㎡の空間において、店舗1(動画で右側)からの出火を想定して、合計98人の階避難の状況を確認する。この時、出火室である店舗1と非出火室である店舗2(動画左側)では避難開始時間を変更する。
課題③の詳細な解析結果はスライドp.9-13に記載している。
また、課題③では、出火室を店舗2(動画左側)に変更した場合の解析も行っており、その解析結果についてもスライドに記載している。
課題④:いす席からの避難
目的
火災予防条例第48条に基づく椅子席部分の解析が可能であるかを確認する。
客席を6つのエリアに分け、エリアごとに避難出口を固定した場合の解析動画を下記に示す。
課題④の詳細な解析結果はスライドp.14-18に記載している。
また、課題④では、観客が使用する出口をエリアごとに固定した解析結果だけではなく、P-MACSのデフォルトの設定での解析も行っており、その解析結果についてもスライドに記載している。P-MACSのデフォルトの設定では、観客は最寄りの出口を使用して避難する。
課題⑤:大人数の避難
目的
出入口が8か所ある大規模会場において、オールスタンディングで客が入場している場合の解析が可能であるかを確認する。
前方中央の客席の観客のみ避難出口を固定し、それ以外の観客については、最寄り出口に避難する場合の解析結果を下記に示す。
課題⑤の詳細な解析結果はスライドp.19-22に記載している。
また、課題⑤では前方中央の客席の避難出口もデフォルト設定にした場合の解析も行っており、その解析結果についてもスライドに記載している。
課題⑥:高密度における避難 [スライドp23-24]
目的
客席の密度が5人/㎡の高密度な状態から一斉に避難を開始する解析が可能であるかを確認する。
課題⑥の詳細な解析結果はスライドp.23-24に記載している。
評価課題のシミュレーション結果報告書を再掲する。


